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ケンネルコフ

症例

呼吸器科

ケンネルコフとは?

咳を主な症状とした伝染力の強い呼吸器の感染症です。

ケンネルコフとは、いろんな種類のウイルスや細菌が単独または複合感染する事で、ワンちゃんに気管気管支炎を起こす病気です。

別名、犬伝染性気管気管支炎とも呼ばれます。



ケンネルコフの主な症状とは?

軽症の場合

①乾いた咳

②鼻水

③微熱(39.1℃〜39.5℃)

 

中程度〜重度の場合

①湿った咳(喉の音がコポコポ、痰が絡んだような咳、1日通して咳をしている)

②高熱(39.6℃〜40℃以上)

③肺炎

 

※体温はあくまで目安です。正常でも興奮などによって高体温になることがあります。

 

ほとんどは軽症でみつかる事が多いです。しかし、軽度の場合は元気・食欲がすごくあったりするので様子を見てしまいがちなこともあります。長期間様子見をしていると気づかぬうちに重症化して命に関わる事もあるので、咳が気になったらすぐかかりつけの動物病院へご相談してください。



ケンネルコフの主な原因は?

主な病原体は、

犬アデノウイルス2型

犬パラインフルエンザウイルス

犬ヘルペスウイルス

レオウイルス

気管支肺血症菌

マイコプラズマ

が原因と言われています。

 

近年では、上記のアデノウイルスやパラインフルエンザウイルスのワクチンがあるにもかかわらず、それでも発生することが多い病気です。理由としては、予防できる病原体以外でも原因となる菌やウイルスが様々なことが挙げられます。犬の呼吸器疾患の中でもよくみられる疾患として有名です。

ペットショップやペットホテル、ドッグ ショーなど、特定の密閉された環境で他の犬と密接に接触すると、よくケンネルコフにかかります。感染した犬と接触したり、フードや水用のボウルなど汚染された物を共有した場合にも、うつる可能性があります。



好発犬種(かかりやすい犬種)


まだ免疫力がしっかりとしていない幼若齢(生後数ヶ月)のワンちゃんに多い病気です。

当院でも、まだワクチンプログラムが終了していないような子犬ちゃんたちがたくさんご来院されますが、その中でも最もよくみられる病気です。家にお迎えして間もない子がおうちでコンコンと咳をしていたらケンネルコフを疑いすぐに相談していただきたいと思います。

成犬や老齢の子でも発症する事があります。


ケンネルコフの治療法


当院では以下の治療を行います。

①抗菌薬(経口薬または注射薬)

⇨咳の原因となる菌や菌の二次感染を抑えます。

②気管支拡張薬(経口薬または注射薬)

⇨気道を広げ呼吸を楽にします。


③噴霧療法(ネブライザー療法)

⇨喉に潤いを与えます。また抗生剤などの薬液を霧化して気管支や肺におくり直接作用させます。薬液を細かい霧状にすることで、薬剤を呼吸と一緒に気管や肺、鼻の奥へ送り込むことができます。


④鎮咳薬(経口薬または注射薬)

⇨若齢の子で使用する事は少ないですが、咳が酷く食欲でない場合や眠れない場合は使用する事もあります。

 

(薬の使用や組み合わせは症状から判断し、①〜④を調節して行っています。)

1週間程度で症状が改善する事が多いですが、喉の菌がいなくなりきるまでは2週間はかかると言われており、投薬もしっかり2週間続けることをおすすめします。



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