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脂線炎

症例

皮膚科・耳科

脂線炎とは?

毛包付属器である脂腺が破壊される疾患で、免疫が関与していると言われています。

犬では稀に発生し、猫では極めてまれです。

その中でも起こりやすい犬種は、日本だと秋田犬、プードル(トイ、スタンダード)であり、この犬種おいては常染色体劣勢遺伝であるという報告があります。

ただし、他の犬種においても発生する可能性はあります。



脂線炎の症状とは?

主な症状は、鱗屑(フケ)や脱毛が目立つことがあります。また毛包円柱という角化物質により被毛が束になっているものが観察されます。

痒みは脂腺炎のみの場合はあまり発生しません。ただし、二次性に膿皮症が生じる場合は痒みが発生します。

毛質は悪くなり、艶がなくなり、脆くなります。

症状は局所的に起こることもあれば、全身的に発生することもあります。



脂線炎の診断は?

皮膚の症状(鱗屑や脱毛、毛包円柱など)や好発犬種などから脂腺炎を疑い、確定診断としては皮膚病理検査を行うことで診断されます。

皮膚病理検査は局所麻酔などを用いて、皮膚の一部を採取し、病理学的に見る検査になります。皮膚組織は病院内で採取をし、外部の機関に提出し、病理診断をしていただくことになります。



脂線炎の治療は?


主に内服治療と外用治療となります。

内服治療は免疫抑制剤であるシクロスポリンが有効だと言われています。そのほかに、ビタミンAや必須脂肪酸なども使用することがあります。脂腺炎ではステロイドは、あまり効果を成さないと言われています。

外用治療は、主に鱗屑(フケ)を落とし、保湿をしっかりを行なっていきます。鱗屑を落とすために、クレンジングオイルを用いたり、角質をやわかくするシャンプーを使用します。シャンプー後は保湿材をしっかりと用いることが大切です。ただし脂腺炎は症状を軽減させることは可能ですが、生涯にわたり治療していくことが必要になります。



鱗屑(フケ)が目立ち、脱毛が出てきた場合は脂腺炎の可能性もありますので、気になる症状がありましたら、ぜひご相談ください。



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