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脂漏症

症例

皮膚科・耳科

脂漏症とは?

皮脂が過剰に分泌されている状態を脂漏症と言います。

皮脂は主に脂腺から毛包内に分泌され、表層で汗と混合し皮脂膜が形成されています。この皮脂膜には殺菌作用や保湿作用があります。

脂漏症は先天的もしくは後天的に発生し、それぞれ本態性脂漏続発性脂漏症に分類されます。



本態性脂漏症

先天的に脂が過剰に分泌されているものを言います。脂の独特な臭いが生じ、ベタつきが目立ってきます。本態性の場合、幼少期から軽度に脂漏が確認され、歳をとっていくにつれ悪化していく傾向にあります。



続発性脂漏症


後天的に脂が分泌が過剰されているものを言います。要因としてアトピー性皮膚炎、内分泌疾患、ホルモンバランスの乱れが挙げられます。中年齢以降に脂っぽい症状が出てきた場合、血液検査を含めた検査が必要になることがあります。

また、炎症が生じている状態のことを脂漏性皮膚炎と言います。

脂漏性皮膚炎が認められやすい部位があり、耳介内側、口唇、口吻、頚部腹側、腋窩、指間、爪囲、下腹部、大腿部内側、外陰部間擦部などです。

脂漏性皮膚炎は高温多湿の環境で悪化することが多く、梅雨から夏にかけて症状が悪化することが多いです。


好発犬種(かかりやすい犬種)


好発犬種として、シーズー、コッカー・スパニエル、キャバリア、ウエストハイランド・ホワイトテリアなどが挙げられます。




脂漏症の治療法


基本は過剰な脂をとっていくシャンプー療法が適用されます。


また、炎症が生じている状態のことを脂漏性皮膚炎と言います。脂漏性皮膚炎が認められやすい部位があり、耳介内側、口唇、口吻、頚部腹側、腋窩、指間、爪囲、下腹部、大腿部内側、外陰部間擦部などです。脂漏性皮膚炎は高温多湿の環境で悪化することが多く、梅雨から夏にかけて症状が悪化することが多いです。


角化溶解作用のあるサリチル酸、脱脂作用のある過酸化ベンゾイル・二硫化セレンが含まれているシャンプー剤を使用することが多いです。ただし、近年過酸化ベンゾイル・二硫化セレンが含めれるシャンプー剤は発売停止になっているので、サリチル酸がよく用いられます。またシャンプー剤の他にマイルドに脱脂してくれるクレンジングオイルを使用することもあります。



脂漏性皮膚炎が生じていた場合、全身の炎症を抑えるため、内服薬の使用をします。ステロイド、オクラニシチブ(アポキル)、シクロスポリン(アトピカ)を使用し、炎症を抑えていきます。

慢性的に炎症が生じた場合、苔癬化(たいせんか)という表皮が肥厚した状態になるので、外用のステロイドを使用し、苔癬化を治療していきます。

シャンプーを使用し、皮脂を落としては行きますが、皮脂を取り過ぎても皮膚のトラブルを起こすことがあります。そのため、取りすぎる可能性がある場合、保湿剤も併用することが多いです。

また皮膚の上で脂が増えることでマラセチアという酵母様真菌が増えることがあります。マラセチアは、皮膚の上に一般的にみられる常在菌の1種で、脂を好む性質があります。脂漏症で皮膚の上で脂が増えることで、マラセチアの数も増え、それにより皮膚トラブルを引き起こします。

そのため、マラセチアに対しても治療を追加する必要があります。


また、炎症が生じている状態のことを脂漏性皮膚炎と言います。脂漏性皮膚炎が認められやすい部位があり、耳介内側、口唇、口吻、頚部腹側、腋窩、指間、爪囲、下腹部、大腿部内側、外陰部間擦部などです。脂漏性皮膚炎は高温多湿の環境で悪化することが多く、梅雨から夏にかけて症状が悪化することが多いです。


シャンプー治療だけでいい?

本態性脂漏症の場合は、元々の体質が関連していますが、続発性脂漏症の場合、脂漏を引き起こす他の原因があるので、原因治療が必要になります。たとえば内分泌疾患である甲状腺機能低下症で脂漏症が生じている場合、甲状腺機能低下症の管理をする必要があります。

そのため、脂漏症の治療は薬を飲んでいくだけでなく、シャンプーや外用薬、原因治療など複合的な治療をしていくことが必要です。


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